【君が想うよりオオカミ】    男女の間に友情という観念は成立するのかを描く小説       【TVブロ酢】           辛口、甘口でないスッぱい批評        【となりのレトロ】


by tencho77

君が想うよりオオカミ ♯10

「ふぁぁぁ。ねむい・・・。」

生物学を説明する声が、延々とお経のように聴こえてくる・・・。
「講義を開始する!」と言われてから、チャイム直前の今まで。

( 学長の授業はいつも変なテンションなのよね・・・。 )

うとうとしながら、時々指先が痛むので熟睡まではいかなくてすんだ。

目覚めのチャイムが鳴った。

「ねぇ、今日どうする?秋絵。」

クラスメイトのえみが満面の笑みで聞いてきた。
なにか裏があるのだろうか。
今日はテスト前でもう授業はない。

「学食でランチしてかない?」

「うーん。眠い。しばらく立ちた~くない。」

「何じぃっとしてんのよ。行こうよ!」

えみは男っぽく、強引なところがある。
そういうところも好きだ。
ぐいぐい自分を引っ張っていくタイプのえみ。
親友の一人だ。
1LDJのえみ宅に何度も泊まりに行ったこともある。
少し離れた神戸から通っている。
この歳で未婚の母であるからということを知っている。

背中に天使のようなタトゥーがあることも・・・。

帰宅してからランチ、試験勉強のコースが大半なので学食はすいている。

えみは何か聞きたくてしょうがなさそうだ。

「ねぇ。こないだ、たまたまふらりと行った、瀬須月高校の文化祭で好きな男できたんでしょ?」

「は?あんな関白宣言みたいな男子高に、いい奴いるわけないじゃん?」

「えー。ほんとー?だってマサオとよさげだったじゃん。」

「ありえない!だっていまどき、俺、キムタクみたいだろなんて、自分で言ってんだよ。」

「いやー。案外お似合いだよ、マサオ。」

「次、マサオって言ったら殴るからね。」

「おおこわ。なに食べる?」

「ラーメンだべ。やっぱ、あまりおなかすいてない。マフィンでいいや。」

「私もダイエット中だから、特製サラダでいいや。ついでにマフィン、買ってきてあげるよ。」

独りになると考えてしまう。
朝のあの男はどうしただろうか・・・。
警察に通報すべきか、さんざん迷った。
巻き込まれたくない。
気になるしウザい。

「どうした?ぼーっとして。マサ・・・おっと。」

えみは竹のボールに入った糸こんのようなサラダとマフィンを運んできた。

「また言ったでしょ。」

ううん、と首を振ってサラダをつつきだした。
こしあんの入っている、学食特製のマフィンを気力無くゆっくりと食べた。

「どうしたの。秋絵らしくないね。いつもお菓子なんかすぐ食べちゃうのに。」

どうしても今朝の出来事が頭から離れない。
まるで頭脳に警察がいるようだ。
えみの話していることは耳に入らず、身振り手振りだけが最初に目につく道化師を見ているようだ。

「じゃあ、帰って本格的にランチしよう!」

半ば怒り気味のえみと学食を出て、バス停へ向かった。

「じゃあね、秋絵。」

「いいわね。運転手付きの高級車が迎えにくるお嬢さんは。」

「たまたまよ。今日のランチは実家でカレーパーティーだからよ。」



秋絵と別れた。

いつもバス停とは反対側の校舎裏に迎えに来てくれる。
バス停側の迎えだと、冷やかす連中がいるので嫌だからだ。

( マサオとてっきりもう付き合って・・・。 )

それより元気のない秋絵のことが気になっていた。
指の怪我はどうしたのだろうか・・・。
バイクで転倒?ちがう、今日はバス・・・。
不安そうな秋絵の横顔が心に挟まっている。

迎えの高級車が近づいてきた。

「ご苦労様。馬葉。ちょっと途中ふるぽんやによって・・・。」

運転手の若い男は怯えたような表情だ。

「おろろろろろろろろろろ。」

「どうした・・・・の・・・・!」

プレジデントを覗き込んだ。
後部座席に顔じゅう何か爪のような傷跡のある男と、骸骨のように頬がこけた男が乗っている!

運転手の若い男の腰のあたりに、骸骨のように頬がこけた男が拳銃を突きつけているようだ。

「ウヒヒヒ。太モモまぶしい女子高生のお嬢さん、早く乗ったほうが身のためだぜ。」




to be next ♯11





【 職人名 】 ※敬称略

 学長

 えみ@tattoo

 タチターク

 じぃと

 マフラリ

 セス・ゲッコウ

 関白宣言

 マサオ

 だべ

 muffin

 takebor

 糸こん

 こしあん

 道化師ふぁうすと

 カレーパーティー

 ふるぽんや

【 小ネ単語 】

 延々とお経のように聴こえてくる・・・。
  ここにも bose-sound さんが!?

 「講義を開始する!」
  学長さん、及び変態教養学部長さんがチャットに入るときの掛け声から。

 1LDJ
  ボケラッタさんの上位ボケからです。

 「次、マサオって言ったら殴るからね。」
  これはもうごぞんじ、ボケて殿堂入りのボケのオマージュ。

 ラーメンだべ
  だべさんのプロフ画像から発生。

 ・・・いつもお菓子なんかすぐ食べちゃうのに。」
  ボケラッタさんがたぶんよく職場でおやつをあさっているとの想像から。たぶん。

 まるで頭脳に警察がいるようだ。
  発禁が多いバンド「頭脳警察」から。ある意味この小説風も発禁かなとの想いから。

 「おろろろろろろろろろろ。」
  ばっはさんがチャットで実際に吐いた時の効果音から。

【ストーリー】

 弟を探しにきた権田組から、ついでに圭壱を助け出した沼太郎と、
 データを預けた権田組長の娘の同級生、秋絵に会いに行くとこまでを描いています。

 はじめは秋絵視点ですが、途中後半からえみ視点になっています。

 登場職人さんは最多です!
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by tencho77 | 2009-05-29 20:36 | 【君が想うよりオオカミ】