【君が想うよりオオカミ】    男女の間に友情という観念は成立するのかを描く小説       【TVブロ酢】           辛口、甘口でないスッぱい批評        【となりのレトロ】


by tencho77
「困ったな。狙撃できるビルが7棟もあると・・・。」

「ああ。あのカエルの逆立ちのような倒れ方だと、弾道の方向が特定できないんだよな。」

比企の『 ぼやき 』に、池袋はいつになく力の無い受け答えだ。
本庁主催の捜査会議を終えた、三人の心は疲れていた。
二年間も行方不明になっていた被害者を保護できず、最悪の結果を招いていた。
そのことを新宿東署に捜査本部をおいた、本庁のキャリア連中に責め立てられたのだ。
銃弾から、犯行に使われたライフルはM24系と推定されている。
有効射程距離800メートル。
狙撃できる可能性は現場の高層ビル7棟だが、三人ともビルの特定まではできなかったのだ。

「交通課への書面は私が作成しておきました。」

一番若手の赤池が、少しでも場を明るくしようと威勢よく話した。

「悪りーね。いろいろデリートしたい日だな。今日は・・・。」

PCには詳しい池袋もぼやいた。

「そうだ赤池、お前が東北のヤマをあらえ。」

「わかりました!」

一番若手の刑事は元気よく答えた。

「俺達はこっちをあらう。」

「私と池袋さん以来の、イケイケコンビ再結成ですね!」

「・・・。」

ライフルは軍事関連で、よく使用されている種類だ。
沖縄ルートも含めて、拘留中の店長に情報を得るため、比企と本庁へ戻ろうと考えた。


特注で改造されたボルボの覆面パトカーに乗り、二人は新宿東署を出発した。
比企がいつものカップコーヒーを飲みながら運転している。

「自宅の千葉から新宿まで大変だな。」

「ええ。まあ慣れました。」

公安としてマークしている身、マークされている身。
お互い牽制しながら、他愛も無い世間話を繰り返していた。

『 警視庁より入電、逃走中マル対、狙撃犯の所持品情報・・・。 』

警察無線が入る。

『 使用銃をゴルフバックに入れて逃走したとの情報有り、ゴルフバックの色は黒。
 メーカーはナイキ、本体横と持ち手にナイキロゴと英語でナイキゴルフ文字刻印入り。
目あたり注視されたし。 』

二人は目を凝らした。
博多中洲、新宿歌舞伎町、普段人の多い繁華街を相手にしている目は一層するどくなった。

「池袋さん、あれ。」

明治通り、千駄ヶ谷付近にさしかかったところだ。
コンビニの店内に宅配便を待っている無線情報と同じゴルフバックが目についた。
先の鳩森神社付近でUターンをし、店の対岸に車を停め、店内を再びみる。

「現場からも近いですし、ウラをとりましょう。」

「駐禁大丈夫だろうな・・・。」

「大丈夫ですよ。万が一の時は今度は私が、所轄の交通課になんとか交渉します。」

『 あやしい 』という表情で池袋は車を降り、比企も続いた。
通りを渡って店内に入る。

店内には『 パチスロ必勝ガイド 』立ち読みをしている男性客が一人いるのみだ。

池袋はレジへ向かった。

「タバコ、くんねぇかな。」

ポットのお湯を手際よく変えていた店員は、すばやくレジに戻ってきた。

「どのタバコですか?」

「まぁな・・・うーん、ラークの6ミリで。」

店員は手際よくタバコをレジに差し出した。
財布では無く、代わりに手帳を出した。

「ちょっとその集荷待ちのゴルフバックについて聞かせてもらいたいんだが・・・。」

「はあ?」

店員は不思議そうに二人を見た。

「なんでですか?」

笑顔でそう言うとタバコを棚に戻した。
目は笑っていない・・・。
刑事がすばやくチェックした名札には、『 佐間 』と表記してある。

「いや、ニュースでご存知かと想いますが、二時間前くらいに西新宿で事件がありましてね。」

「そこのゴルフバックとなんの関係があるんです?」

「いや店員さん、ゴルフバックがその事件にかかわっている可能性が高くてですね。」

慎重に言葉を選んで話した。

「わかりました。」

店員は入口付近のゴルフバックに向かう為、レジを一旦出た。

店員は自動ドアではない、入口扉の鍵を閉めた。

そしてゴルフバックのサイドポケットから拳銃を出し、二人の刑事に向けた。

二人の刑事はとっさに上着の内側に手を入れたが、一瞬遅かった。

無言のまま店員は、弾丸の出る口を二人に突きつけたまま歩き、レジの内側に戻った。

「そ、そんなことをしても逃げられないぞ。」

「それはどうかな・・・。」

店員はレジの下にある防犯用の非常ボタンを押した。

ベルは鳴り響かない・・・。

立ち読みをしていた男性客がただならぬ事態に気付いた!
雑誌を投げ捨て入口に向かって走り出した。

「ね、俺だけでも、た、助けてくれ・・・。ぐは!」

男性客は入口まであと一歩のところで足を撃たれ、のたうちまわっている。

店員を刺激しないように、ゆっくりと比企が苦しむ男性客を介抱した。

「大丈夫ですか。あなたお名前は?」

「うぅぅ。い・・つも・・・あだ名・・でしかよ・・ばれてないので・・・・。」

「あだ名は?」

「あだ名は・・・・・・痛い・・・うぅぅぅ。」

店内には男性客の悲痛な呻き声と、とてつもなく太い緊張の糸が張り詰めている。

「おまえが伯爵のリーダーを狙撃したのか?」

「さあね。」

「通行人が通報して、もうすぐに警察がくるぞ。」

新宿にほど近い千駄ヶ谷である。
いつ来客、または通行人が通ってもおかしくない。
中華料理店も隣接している。

「来ても無駄なようにしたのさ・・・。いずれすべて無くなる・・・。動くな!」

レジの下を少し覗き込むと、ダイナマイトに付いた数字が残り少ない時を刻んでいた。





to be next ♯15
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# by tencho77 | 2009-06-26 21:14 | 【君が想うよりオオカミ】

新コンテンツのおしらせ

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番組改編の季節なので、新コンテンツを追加します!

様々な所に出没することが多い今日このごろ。その立地を生かしたいと想います。

【 進ぬ!電波中年 】

様々な所で好き勝手に、色々な事にチャレンジしてみようと想います。

もちろん過去のような事にならないよう、法令は遵守します。

『 ボケて 』の実写版みたいになればと想っています。






※本当は表店長が忙しくてコンテンツ更新できないからかもと想ってます。
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# by tencho77 | 2009-06-25 17:41 | ごあんない
「失礼します!」

ドアは開けっ放しのため、白バイを勤務を終えた警官が、次々と制服を着替えに入ってくる。
即興取調べ状態の三人にはおかまいなしに、ガチムキの身体をさらけ出している。
警視庁交通機動隊ロッカー室。

「あいにく取り調べ室が満室でね。」

「週末のラブホテル状態でね。」

「比企刑事!らしい表現だがつつしめよ。」

「かたいこというなよ池袋さん。で、追加で聴きたいこと、ってなに?」

店長はいぶかしそうに二人の刑事を視た。

「夕飯はカツ丼でもとるかい?」

「ベタだねぇ。鍋焼きうどんでいいや。取調べの時の出前って、どうせ自腹だしね。」

池袋は電話をかけ、鍋焼きうどんを三人前たのんだようだ。

比企「さて聴きたいことというのは、他でもないTBSのことだが・・・。」

池袋「福岡が2年で忘れかけてるが、TBSは関東じゃ6chだよな。」

比企「そのTBSに店長が出演しているというのは本当なのか?」

店長「はい。本当です。9年ぐらい前だったと想います・・・。」

池袋「どんな番組だ?」

店長「オールナイトフジのような深夜の・・・。」

比企「知ってる!知ってる!『 ワンダフル 』だろ?」

店長「はいそうです・・・。」

池袋「おお!乱交スキャンダル事件や平井堅を発掘したり色々あった番組だ。」

比企「本当に出演してるのか?証拠はあるのか?」

店長「あるはずなんですが、ショップ兼自宅の『 GERUNIKA 』に、VHSテープが
   約1,000本あって・・・。」

比企「1,000本!TVブロ酢以外のものもありそうだな。」

店長「はい。深夜バイクで届けられる『 D-153 』とか暗号のついた無修正の・・・。」

池袋「おいおい!お~い!また別件で逮捕しちゃうぞ。」

店長「TBS関係をいろいろ探したんですが・・・。『 トップスチュワーデス物語 』とか『 十年愛 』、『 流星の絆 』とかドラマ系は結構すぐみつかったのですが・・・。」

池袋「『 全員集合 』や『 加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ 』は無いのか?」

店長「今『 イロモネア 』とかありますが、不得意なバラエティよりはドラマイメージ強くって・・・。」

比企「毎週、『 MR.BRAIN 』みるみる!」

店長「みつかってないんです。倍数の12chテレビ東京のはありました。」

池袋「どうして出演することになったんだ?」

店長「スタッフから突然暗黒街に電話がきて、新コーナー『 コネタの真相 』をやるからと・・・。」

比企「そのころからこねたんか・・・。」

店長「当時後輩が『 めちゃイケ 』に出演実績があり、暗黒街のリクエストで出演しました。」

比企「『 ワンダフル 』といえばワンギャルだが、会ったのか?」

店長「はい。福世恵梨奈さんと共演しました。」

池袋「福世恵梨奈?知らねぇなぁ・・・。」

店長「次回の取調べまでにVHSテープ、探しておきます!」

比企「あ!鍋焼きうどん、きたきた!」

熱っ!!

池袋「鍋つかみとかないのか?」

比企「最近みないですねぇ。」

店長「どうでもいいけど早く釈放してくれよ・・・。」









Next channel 7
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# by tencho77 | 2009-06-23 19:21 | 【TVブロ酢】
申し訳ありません。
ただいまスーパー商談が発生しブロぐの更新ができなくなっております。
復習の更新作業はしていますので、のちほど御アクセスのほどよろしくお願いいたします。
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千葉県 市川パーキングエリアにて。 
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# by tencho77 | 2009-06-22 18:36 | ごあんない
「もう静岡あたりですか?」

「いいや。まだ名古屋だ、おバカだねぇ。あんた、うたた寝しはじめてたからね。」

運転手をしてくれている、骸骨のように頬が痩せこけた男は親しげに応えた。
いつしか、お互い身内を探し、助け出すという共通目標で心が通じていた。

京都から約二時間。
疲れもあり、景色が単調な高速道路から一旦降りていた。
解放された安心感も手伝い、車中眠らずいろいろ話してきた。
場をなごませるために、お下劣な話題にも付き合った。
ゲイの圭壱にとって、女性ネタはなんの変哲も無いどうでもいい話しだった。

「能人は仕事ではどんなかんじだった?」

「どうでしたかね。僕はアイドル系のマネージャーなので、バンド系の弟さんとは
 事務所や現場でほとんど一緒にならなかったので···。」

「そうか···。」

ハンドルを握る手はしっかりしているが、残念そうに少しうつむきかげんになった。

「あ!そういえばここ名古屋で、弟さんと一緒に仕事したことあります。」

「おお!例えばどんな?」

「料理番組の『 安陪教官日記! 』ってやつです。全国ネットでは、たまにスペシャルでやる···。」

「ああ、あのレポーターの安陪が、グルメ教官とか言ってインチキくさいやつね···。」

「そう!料理がまずくて弟さん、その他大勢と一緒に頑張って、ブラックジョーク言ってましたよ。」

「あの番組、マニアックでシュールな料理ばっかり紹介だもんな!」

そう言って、顔面がまだ少し痛かったが大きく笑った。
運転手も笑った。
こみあげてくる、いままでのつらさを紛らわすように···。

「じゃあ、名古屋地元の番組でも見てみるか。」

カーナビの画面を、ガイドマップから適当なテレビ画面に切り換えた。

テレビを眺めながら運転手と一緒に笑っている。
でも心の中はけして笑っていなかった···。

ティーダ乗りの友人、田戸さんはどうなっただろう。
警察は動いているのだろうか。
ニセ警官には襲われたが···。
何もかも信用できない。

やはり気がかりなのは彼女のことだ。
マネージャーという仕事として。
親友として。

異性には特別な感情は湧いてこない。
同性には、心の底からこみ上げてくる『恋愛』というモノサシの感情をいつも推し量ってしまう。

ただ、彼女に対しては、いつもと違う何か不思議な感覚が溢れ出してくる。
彼女のことはもちろん好きだ。
でもそれは、嫌いではないという意味だけでの『 好き 』ではなかったか···。

トゥルトゥル!

携帯が鳴った。
我に返ったような表情で携帯の画面を見つめた。

『 道屋社長 』と表示されている。

何度か着信があったが、監禁されている時以外でも、わざと出ていない。
ほぼ丸一日音信不通、『 クビ 』の宣告か。
小刻みに震える指で受話器の外れたマークを押した。

「···はい。」

「おう、沖谷君か!いままでどうしてたんだ。」

あまり語りたくなかった。
『 東京事務所   パスワード 』というメールでそっちに向かっていることも。
無言のまま携帯を耳にあてている。

「まあいい、実は·····。」

通話の相手がそう切り出そうとした時、運転手の断末魔の叫び声が聞こえた。

運転手の見つめるテレビ画面を見ると、

『 ニュース速報 ロックバンド伯爵のリーダー 伊保 能人さん(24)新宿で銃で撃たれ死亡 』

と残酷なテロップが流れている。

言葉につまり、何も話しかけることができない。
二人を乗せたプレジデントは白川公園沿いに急ブレーキで停車した。

「お、沖谷君!」

「いまテレビのニュース速報で見ました···。伯爵のリーダーのことですよね。」

「違うんだ!」

「なにが違うんですか!こんな時にわざわざ私の解雇連絡ですか!」

言いようのない怒りがこみあげてくる。
八つ当たり気味に口走ってしまった。
無断欠勤によるクビは確定か···。

「ま、まだ権田組のプレジデントに乗っているのか?」

「·····はい。」

「く、車には爆弾が···。」

「え?」

道屋社長はインプラントの手術をしたばっかりで、滑舌が悪くよく聞き取れなかった。

「爆弾が仕掛けられてんだよ!その車には!」

大声で怒鳴るその声は携帯から漏れ、涙を滝のように流している運転手にも聞こえた。

「そ、そんな社長!本当ですか!」

通話がよく聞こえるように、うるさいテレビ画面をカーナビに戻した。

『 00:21:07』

時計のような表示の数字が、時間を逆に刻み続けている···。

運転手と、一瞬にして強張った表情を見つめ合った。

「権田の逆恨みだ!ま、万が一、敵に特攻する時の為の自爆装置だそうだ。」

「どうやって止めるんですか!」

「そんなの、し、素人にはわからん。とにかく車から逃げろ!」

圭壱はすぐに社外に飛び出した。

「沼太郎さん!早く!」

涙を滝のように流している運転手は降りようとしない。
無言で助手席のドアを勢いよく閉めた。

「伊保さん!なにしてるんすか!早く!」

「弟の元へ逝く···。」

「だめです!沼太郎さん!弟さんの分も···。」

「あんたは彼女を探し出せ、絶対に。」

車外へ引きずり出そうと運転席側に走り寄った。
伊保 沼太郎はキーをロックしてしまい、ドアは開かない。

「伊保さん!伊保さん!開けろ!」

右手が伸びきってしまうくらいの勢いで車は走り出した。

「伊保さーん!」

霞んだ小さい黒い点になっていく、プレジデントを眺めながら叫び続けた。

なにも話さず道屋との携帯を切り、かけ直した。
かけ直した相手はすぐに出た。

「プレジデントの自爆装置の解除方法を教えろ!」

「なんのことやら。夕飯の焼きカレー作りで忙しい。せいぜいあがけ。じゃ。」

人間とは思えない冷酷なセリフを浴びせられ、かけ直した相手にすぐに切られた。

「馬葉ーーーーーーーーーーーー!!」


叫びながら耳の遠くで、爆発音の響きを聴いたような気がした···。






to be next ♯15


【 職人名 】 ※敬称略

 トゥルトゥル

【 小ネ単語 】

 

 福岡で書類受け渡しのすれ違い事件
  実話のようです・・・。書類は『ボケて本』のようです・・・。

 手に持っていたスタバのコーヒーカップを投げ棄てた。
  みる挽きさんの以前のプロフ画像イメージから。

 「 ふなーーーーーーーーーーーーーーーー!!! 」
  たまに、はくしゃくさんがチャットで叫んでた!?

 カエルの逆立ちのような
  はくしゃくさんの伝説のボケ
 
【ストーリー】
  池袋刑事は赤池、そして所轄の比企と合流、伯爵リーダーを発見しますが・・・。
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# by tencho77 | 2009-06-19 21:09 | 【君が想うよりオオカミ】